
果物や野菜の「甘さ」を数値化する糖度測定技術は、農業の品質管理や出荷基準の厳格化において重要な役割を果たしています。特に、スマート農業の発展に伴い、非破壊での糖度測定が可能な光センサー技術が広く普及しつつあります。
Happy Qualityが手がける高糖度トマト「ハピトマ」も、こうした最新の糖度測定技術を活用し、品質管理を徹底しています。本記事では、糖度測定技術の仕組みや農業への活用について詳しく解説します。
糖度とは?どのように測定するのか
糖度の定義
糖度とは、果物や野菜に含まれる糖分の割合を示す指標で、一般的にはBrix(ブリックス)値で表されます。糖度が高いほど、甘みが強いとされ、市場価値も上昇します。
一般的な糖度測定方法
これまで糖度の測定には、以下のような手法が用いられています。
- 屈折計(Brixメーター)を用いた測定
- 果汁を搾り、光の屈折率を測定する方法
- 破壊測定であり、大量の果実には適さない
- 近赤外線(NIR)を活用した非破壊測定
- 近赤外線を果実に照射し、反射光の吸収特性を解析することで糖度を推定
- 破壊せずにリアルタイムで測定可能
- 高速かつ大量測定が可能なため、スマート農業に適用される
近赤外線を活用した糖度測定技術の仕組み
近赤外線糖度測定は、果実に近赤外線を照射し、その反射光や透過光の特性を解析することで、果実内部の糖度を推定する技術です。
従来の屈折計を用いた測定では、果実を搾る必要がありましたが、近赤外線を活用することで、生産現場でのリアルタイムな糖度管理が可能になりました。また、選果時の人為的な誤差を減らし、一貫した品質基準を維持することができます。

選果機との連携
糖度測定技術は、果実を自動で選別する選果機にも活用されています。
- 高速で大量の果実を選別可能
- 糖度・色・形状を同時に判定し、品質基準に応じた仕分けが可能
- AIを活用した解析技術により、より高精度な測定と選別が可能
- 生産者ごとの品質基準に合わせたカスタマイズが可能
例えば、農研機構では、近赤外線技術とAIを組み合わせ、果実の「おいしさ」や「食感」までを解析する技術が研究されています(参考)。こうした技術の進化により、従来の経験則に頼ることなく、科学的な品質管理が実現しつつあります。
このような技術の発展により、スマート農業の一環として、より精度の高い品質管理と出荷基準の統一が可能になり、消費者への安定供給が期待されています。
糖度測定技術がもたらす農業の未来
糖度測定技術の進化により、農業の品質管理は大きく向上しました。これまで経験や感覚に頼っていた選果プロセスが、科学的なデータに基づいて管理されることで、より高品質な果実を市場に供給できるようになっています。さらに、選果機のデータを活用することで、品種改良や栽培方法の改善にも繋げることができます。
消費者ニーズに応じた品質保証
糖度測定技術の精度向上により、消費者の期待に応える品質保証が可能になりました。
- ブランド価値の向上:高糖度の果実を安定供給し、信頼性を確保
- 市場の多様化:異なる糖度の果実を異なる用途(生食用・加工用)に適用可能
- 品質の一貫性:生産者間で統一された品質基準を満たすことが可能になり、安定した商品を提供できる
データを活用したスマート農業の推進
糖度測定技術で得られたデータは、スマート農業の発展にも大きく貢献しています。
- 栽培環境データと糖度データを統合し、より最適な栽培方法を提案
- 日照量・水分量・温度などの環境データと糖度の相関を分析し、より良い糖度を持つ果実の生産を支援
- データを蓄積し、長期的な品種改良や栽培技術の向上に活用
こうしたデータの活用により、農業経営の効率化が進み、持続可能な生産体制が構築されつつあります。
Happy Qualityの取り組み
Happy Qualityでは、自社で近赤外線センサを活用した選果機の開発を行い、ハピトマの品質管理を徹底しています。Happy Qualityの選果機は糖度だけでなくリコピンの量や形まで測定することができ、すべてのハピトマが基準値を満たしているものとして選果され、出荷されています。
- 非破壊での糖度測定・リコピン測定により、すべてのトマトを均一に選別
- 画像解析技術を用いた選果により、形によるA品・B品の選果も自動化
- 選果データと栽培環境データを統合し、より最適な栽培方法を提案
ハピトマ栽培に挑戦してみませんか?
ハピトマの栽培に興味がある方は、ぜひHappy Qualityのマーケットイン農業に参加してみませんか? ハピトマは、最新の糖度測定技術と栽培ノウハウを組み合わせることで、高品質かつ安定した生産が可能なブランドトマトです。
詳細はこちら:マーケットイン農業について
また、ハピトマの選果技術や品質管理の詳細については、以下の資料でもご覧いただけます。
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